退職を決意したものの、会社が受け入れてくれない。未払い残業代を取り戻したい。パワハラをしてきた上司と直接交渉するのが怖い——そんな状況で「退職代行を使いたいけど、弁護士に頼むべきか民間業者でいいのか」と迷っていませんか?
実際に調べてみると、弁護士型と民間型の退職代行は「できること」がまったく異なります。費用だけを見て選ぶと、あとで「追加費用がかかった」「会社と交渉できなかった」という事態になりかねません。
この記事では、弁護士に退職代行を依頼する費用の相場・内訳から、弁護士が必要なケース・不要なケースまでを整理します。あなたの状況に合った選択肢を見つけるための判断軸をお伝えします。
(本記事の料金情報は2026年4月時点の調査に基づきます)
弁護士による退職代行の費用相場

「弁護士に頼むといくらかかるの?」——これが最初に気になるポイントですよね。結論から言うと、弁護士が提供する退職代行の費用相場は5万円〜10万円前後です(2026年4月時点)。
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退職代行のおすすめを目的別に紹介しているので、用途に合ったものを選べます。
出典:退職代行サービス比較情報(miyabi-law.jp)
費用の内訳
弁護士費用には一般的に以下の3種類が含まれます。ただし、多くの法律事務所では退職代行について「固定料金制」を採用しており、追加費用が発生しにくい体系を取っているところが増えています。
| 費用の種類 | 概要 |
|---|---|
| 着手金 | 依頼時に支払う費用。退職手続きの代行に対するメインの報酬 |
| 成功報酬 | 未払い残業代・損害賠償などの請求が成功した場合に発生。回収額の20〜30%が目安 |
| 実費 | 内容証明郵便の作成・送付費用など |
ここが意外と見落としがちですが、「退職手続きのみ」であれば固定料金に収まるケースが多い一方で、未払い残業代の請求や訴訟対応が加わると追加費用が発生する事務所もあります。契約前に「総額でいくらになるか」を確認するのが重要です。
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費用面が気になる方に向けて、料金の料金を分かりやすくまとめています。
民間の退職代行業者との費用比較
| 項目 | 弁護士型 | 民間業者型 |
|---|---|---|
| 費用相場 | 5万円〜10万円 | 2万円〜5万円 |
| 会社との交渉 | ✅ 可能(法的交渉含む) | ❌ 不可(弁護士法72条により禁止) |
| 未払い残業代請求 | ✅ 対応可能 | ❌ 不可 |
| 損害賠償・訴訟対応 | ✅ 対応可能 | ❌ 不可 |
| 有給消化の交渉 | ✅ 対応可能 | △ 「伝える」のみ |
| 適した状況 | 複雑なケース・法的トラブルあり | シンプルな退職のみ |
民間業者が安い理由は、弁護士法72条により企業との「交渉」が法律上禁じられているためです。退職の意思を「伝える」ことはできても、退職日の調整・残業代請求・引き止め対応などは行えません。これは能力の問題ではなく、法律上の制約です。
弁護士による退職代行が必要なケースとは
費用が高い分、弁護士型でなければ対処できない状況があります。次のいずれかに当てはまるなら、弁護士型を検討することをおすすめします。
①会社が退職を認めてくれない
退職届を受け取らない、一方的に退職時期を引き延ばされる——こうしたケースでは、本人だけが交渉を続けると精神的消耗が激しくなります。民法627条では、期間の定めのない雇用契約は2週間前の申告で退職できると定められており、会社に退職を拒否する権限はありません(出典:民法第627条)。法的根拠を持って交渉できる弁護士の存在は、こうした局面で大きな力になります。
②未払い残業代・賃金を取り戻したい
サービス残業が常態化していた、給与が正しく支払われていなかった——こうした場合、退職と同時に未払い賃金の請求が必要です。賃金請求権の消滅時効は3年(労働基準法第115条)ですが、在職中に請求しにくい状況も多く、退職代行のタイミングで同時に対応するケースが増えています(出典:労働基準法第115条)。これは弁護士型でしか対応できません。
③パワハラ・脅しなど職場環境に問題がある
怒鳴られる、「訴える」「損害賠償を請求する」と脅される、退職を言い出せないほど萎縮しているなど、職場環境に深刻な問題がある場合。こうした状況では、個人が交渉を続けること自体がリスクです。弁護士が間に入ることで、会社からの不当な要求を法的に遮断できる可能性があります。
④有給消化・退職日など条件の調整がしたい
残っている有給休暇をしっかり消化したい、退職日をこちらの希望に合わせたいなど、「退職の条件」を調整したいなら交渉が必要です。民間業者は「希望を伝える」ことはできても、会社が拒否した場合の交渉継続はできません。条件にこだわりがある場合は弁護士型の方が確実性が高まります。
弁護士ではなく民間業者でも十分なケース
逆に、以下のような状況であれば、コストを抑えた民間の退職代行サービスでもスムーズに退職できるケースがほとんどです。
- 普通の会社員で、特にトラブルなく退職できそう
- 未払い残業代や損害賠償の問題がない
- 有給消化も不要、あるいは残日数がほぼない
- 会社が退職を受け入れないような状況ではない
こういったシンプルなケースなら、費用を抑えながら確実に退職できる民間業者を選ぶのが現実的な選択肢です。
費用対効果で見る:弁護士型が割安になることもある
「弁護士型は高い」というイメージがありますが、未払い残業代が数十万円ある場合を考えてみてください。
弁護士に5〜8万円支払い、成功報酬20%として50万円の残業代を回収できたなら、手元に残るのは50万円 – 10万円(成功報酬)- 着手金 = 実質的なプラスになります。一方、民間業者に2〜3万円払って退職できても、その50万円は永遠に戻ってきません。
費用の絶対額ではなく、自分の状況において何を解決できるかで比較することが大切です。
退職代行サービス比較:ガイア退職代行をはじめとした選択肢
ここでは、実際に利用を検討できる退職代行サービスをご紹介します。
ガイア退職代行
ガイア退職代行は、費用を抑えながら確実な退職サポートを受けたい方に向けたサービスです。退職の意思をしっかり会社に伝え、手続きをサポートしてくれます。法的なトラブルがなく、まずは「退職できるかどうか」に集中したい方に適しています。
男の退職代行
男性労働者に特化した退職代行サービスです。体育会系・建設業・IT系など、引き止めが強い職場環境での利用実績が多く、同じ境遇の利用者の声をもとにしたサポートが特徴です。
わたしNEXT
女性専門の退職代行サービスです。女性特有の職場環境(美容師・介護・保育など)での退職サポートに強みがあります。女性スタッフが対応するため、セクハラや職場の人間関係に悩んでいる方でも相談しやすい環境です。
サービス比較一覧
| サービス名 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| ガイア退職代行 |
シンプルな退職サポート | トラブルなく退職したい人 |
| 男の退職代行 |
男性特化、引き止めが強い職場に強い | 体育会系・ブラック企業勤務の男性 |
| わたしNEXT |
女性専門スタッフ対応 | 女性特有の職場トラブルを抱える方 |
法的交渉・未払い賃金請求・訴訟対応が必要な場合は、弁護士が運営する退職代行サービスや法律事務所への相談を別途検討してください。上記の民間サービスはあくまで退職の意思伝達・手続きサポートに特化しています。
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退職代行のおすすめを目的別に紹介しているので、用途に合ったものを選べます。
弁護士へ相談する前に準備しておくと良いもの
弁護士に退職代行を依頼する際、以下の資料があるとスムーズに話が進みます。すべてなくても問題ありませんが、手元にあるものは整理しておきましょう。
- 雇用契約書(労働条件が記載されたもの)
- 給与明細(未払い残業代の確認に役立つ)
- 就業規則(退職に関するルールの確認)
- 会社とのやり取り履歴(メール・LINE・録音など)
- ハラスメントの証拠になり得るもの(メッセージ、目撃者情報など)
利用者の声:退職代行を使った人のリアルな体験談

実際の利用者の声を見ると、選択の参考になります。以下はSNSやレビューサイト上で見られる体験談をもとに構成したものです。
民間業者を使って良かった声
「引き止めもなく、連絡したその日に会社への通知が完了した。2万円台でここまでスムーズにいくとは思わなかった」(Aさん・20代・一般事務)
「精神的に限界だったので、もう会社の人と話さなくていいというだけで気持ちが楽になった」(Bさん・30代・IT企業)
弁護士型を使って良かった声
「未払い残業代が結構な金額あったので弁護士に依頼した。着手金はかかったが、回収できた金額を考えると十分元が取れた」(Cさん・30代・飲食業)
「会社側が損害賠償請求をほのめかしてきたが、弁護士が対応してくれて結果的に何もなかった。民間業者にしていたら不安で眠れなかったと思う」(Dさん・40代・製造業)
後悔した声(民間業者選択で対応できなかったケース)
「有給消化の交渉ができないと言われた。民間業者は伝えるだけで、会社が拒否したら終わり。最初から弁護士に頼めば良かった」(Eさん・20代・小売業)
利用者の声をまとめると、シンプルな退職なら民間業者で満足度が高い一方、交渉が必要なケースでは弁護士型を選ばなかったことへの後悔が目立ちます。事前に自分の状況を正確に把握することが、選択ミスを防ぐ最大のポイントです。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 弁護士に退職代行を依頼すると費用はいくらかかりますか?
弁護士による退職代行の費用相場は5万円〜10万円前後が目安です(2026年4月時点)。退職手続きのみであれば固定料金に収まるケースが多いですが、未払い残業代請求や訴訟対応が発生すると成功報酬(回収額の20〜30%程度)が別途かかることがあります。依頼前に総額を確認するようにしましょう。
Q2. 民間の退職代行業者と弁護士型の最大の違いは何ですか?
最大の違いは「会社と交渉できるかどうか」です。民間業者は弁護士法第72条により、退職の意思を「伝える」ことはできても、退職条件の交渉・未払い賃金請求・損害賠償対応などの法的交渉は行えません。弁護士型はこれらすべてに対応できます。単純な退職なら民間業者でも十分ですが、何らかの交渉や法的問題がある場合は弁護士型が必要です。
Q3. 退職代行を使うと会社から損害賠償を請求されることはありますか?
一般的に、退職そのものを理由とした損害賠償請求が認められるケースは多くはありませんが、会社によっては脅しのように言ってくることがあります。弁護士型の退職代行であれば、こうした不当な請求に対して法的に対応できるのが大きな安心材料です。民間業者では対応できないため、会社からの請求リスクが心配な場合は弁護士型を検討してください。
まとめ:あなたの状況で「弁護士型」か「民間型」かを判断しよう
退職代行における弁護士型と民間型の違いをまとめます。
- 費用相場:弁護士型は5万円〜10万円、民間型は2万円〜5万円
- 弁護士型でなければできないこと:会社との交渉・未払い残業代請求・訴訟対応
- 弁護士型が必要なケース:退職拒否・未払い賃金・パワハラ・脅し・条件交渉
- 民間型で十分なケース:シンプルな退職、トラブルなし、交渉不要
費用の安さだけで選ぶと、後から「交渉できなかった」「追加で弁護士に依頼した」という二度手間が生じることもあります。まず自分の状況を整理して、本当に必要な対応範囲を見極めることが最優先です。
あなたの状況別・次のアクション
▶ まずは費用を抑えてシンプルに退職したい方
特に法的トラブルや未払いの問題がなく、「とにかく退職できればいい」という方は、民間の退職代行サービスから始めるのが現実的な選択肢です。
▶ 男性で引き止めが心配、ブラック企業からの退職を検討している方
▶ 女性で職場の人間関係・ハラスメントに悩んでいる方
▶ 未払い残業代・退職拒否・損害賠償の脅しなど法的問題がある方
弁護士が運営する退職代行サービスや労働問題専門の法律事務所への相談を検討してください。初回相談が無料の事務所も多くあります。
※各サービスの料金・対応範囲は変更になる場合があります。最新情報は各公式サイトでご確認ください。

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